春の温泉旅行

 令和6年3月15日、16日と、仙台ダルク恒例の温泉旅行に行かせていただきました。鶴ケ谷墓地の清掃作業の報酬をプールし、毎年の旅行費用に充てています。今年一発目の墓地清掃作業を水曜に終え、金曜日に旅立ちました。今回は関係者から石巻追分温泉を勧めていただき、石巻を中心にスケジュールを組みました。

 月曜日に東日本大震災の3月11日を迎えたことから、石巻では震災遺構の門脇小学校と、石巻南浜津波復興祈念公園、みやぎ東日本大震災津波伝承館を訪問しました。震災時、私は関西の施設に収容されていました。人々が大変な時に自分は全く何をやっているのだろうと悲しくなりました。そのときから13年がたち、私のクリーンは4年を過ぎたところですが、ここに至るまでの道のりは長く、いまだに薬を使いたくなる欲求に悩まされています。門脇小学校を見たときに、生々しく迫ってくる実物の迫力から、何とも言えない感情に襲われ涙が溢れました。    

 温泉旅館では、決して大げさではないのですが普段目にしたこともない料理を、文字通りおなか一杯いただきました。あんなに満腹となったのは、久しぶりでした。木で造られた浴槽につかり疲れを癒し、仲間と雑談をしたり、ギターを弾いたり、まったりとした時間を過ごしました。風呂上がりに飲んだ、瓶入りのフルーツ牛乳が以外に美味しかったです。たくさんの猫が住み着いており、猫たちにも癒されました。昨年は体調不良で参加できない人もいたのですが、今年は全員無事参加できたことがうれしかったです。

 楽しかった旅のあとのさみしさを、薬の使用につながる行為や、のちには実際に薬物で埋めようとした過去がありました。今も同じようなさみしさが残りますが、楽しかった思い出を大切にするために、寂寥の感情も色付けとしてかみしめ、手に負えない感情は、ミーティングで話すことによって対処しました。このように振り返ると、旅1つとっても回復のプログラムだと実感した次第です。ヒトシ